湖畔の別荘

とても暑いですね。通学で京都と滋賀を往復しているのですが、盆地・京都の蒸し暑さからくる不快感は相当なものです。湖に開けた滋賀の大学付近では、風があるぶん、チャリの漕ぎにくさを除けばいくらか快適に感じます。

このように会話の皮切りとして気候の話題を持ち出すことは、コミュニケーションの手段の1つとして、私もよく使っています。初対面の相手、あるいは親しい友達との会話にも使えるほど便利な話題ですが、一方で、当たり障りがなく面白味のないという意見も見かけます。

しかし、どのような相手であっても共感を覚えることができる話題であり、ましてや気候といえば建築を学ぶ私たちにとっては切っても切り離せないテーマでもあります。気候の知識をストックすることで、気候から始まる会話を、深堀りしたり展開したりできるようになると、面白味がないなんて問題は気にならなくなるはずです。ということで私、宮本は今後も信念を持って気候の話題で会話を始めようと思います、決して、話題選びを楽に済ませようと考えているわけではなく。

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冒頭でも触れましたが、湖に開けた土地は風が流れやすいなど自然の恩恵を享受し易く、さらに見晴らしもよいため別荘地としてよく利用されます。そんな琵琶湖の畔に、ある日本画家※の別荘があります。「蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)」と名付けられたその別荘は、大津市の京阪電鉄瓦ヶ浜駅近くに、大正10年(1921)に建てられた数寄屋建築です。

※日本画家・山元春挙(やまもとしゅんきょ)明治~昭和初期にかけて活動。画風は、写生を重視しながらも西洋画の技法を取り入れたもので、墨彩や色彩の表現が特徴的。

今年で築101年ということで、6月19日までは予約不要で特別拝観が実施されており、うきうきと友達と見学に行ったのですが、土日祝限定という文言を見逃しており内部に入れず、、、。

建築と庭園を含めた土地そのものが国指定重要文化財となる蘆花浅水荘。玄関までのアプローチとそこから見える建築の佇まいの美しさから、内部や庭園への期待感は募るばかりでした。

特別拝観は終わってしまいましたが、予約さえすればいつでも見学させていただけるようです。繊細な作品を生み出した日本画家によって、細部に至るまで拘りが散りばめられたであろう建築と庭園、ぜひ訪れてみてはどうでしょうか。

私もリベンジしたいと思います!涼しくなる頃に。