こんにちは。M2の山﨑です。
先日、竜王町の道の駅「アグリパーク竜王」の田園資料館を訪れました。そこでは、竜王町内の古民家が昭和初期の姿で移築保存されています。ただし民具や近江牛に関する展示がメインで、この建物の具体的な歴史や移築保存前の状態など、建物自体に関する説明ががほとんどなかったのは残念でした。
しかしそこで驚いたのが、家の中で牛を飼っていたということ。東北地方の「曲がり屋」は知っていましたが、あの形態は東北地方独自のものだとばかり思っていました。まさか滋賀県内に同じようなものが存在したとは。
少し調べたところ、同様の形態は長野県や茨城県でも残っているそうです。それらの共通点としては比較的寒冷な地域だということ。気候が近いと民家の形態も似るのでしょうか。一方で、滋賀県以外の3カ所で飼われていたのはどれも馬。馬の厩舎と一体化した住居というのは現在でも一部存在するようですが、牛となると古いものを含めても情報が見つかりませんでした。ちなみに滋賀県北部の民家形態である「余呉型民家」でも、そのような話は一切聞いたことがありません。
この独自と思われる形態は滋賀県南部において、牛がそれだけ重要な存在だったということの表れなのでしょうか。だとすれば民家よりも近江牛の展示の方が遥かに詳しかったのは納得がいきます。しかし隣の民家にももう少し目を向けて欲しい。そんな民家好きの小言でした。