春の花々も競うように色鮮やかに咲きはじめました。春休みが終わります。
ここでは、南ベトナムのモダニズム建築について簡単に紹介したいと思います。
モダニズム建築は、南ベトナムや日本など、世界のさまざまな地域で生まれました。その基本理念には共通点があるものの、この2つの地域のモダニズム建築への取り組み方には、大きな違いもあります。
南ベトナムのモダニズム建築は、第二次世界大戦後、フランスの植民地支配を経て、南ベトナム政府のもとで誕生しました。南ベトナムのモダニズム建築の代表的な例として、1966年に建てられた統一会堂があり、西洋モダニズムの影響を反映しています。南ベトナムのモダニズム建築は、機能性、合理性、効率性を優先し、コンクリート、鉄、現地の素材の使用を重視しました。
一方、日本のモダニズム建築は、20世紀初頭に安藤忠雄、丹下健三、黒川紀章などの建築家たちによって発展しました。日本のモダニズム建築は、光や緑といった自然の要素を取り入れ、木や竹、コンクリートといった伝統的な素材を使用することを重視しています。丹下が設計した東京オリンピックスタジアムや、黒川が設計した中銀カプセルタワーなどにも、その考え方が表れています。
美意識の面では、南ベトナムのモダニズム建築は、シンプル、ミニマリズム、実用主義を優先し、直線、平面、幾何学的形態に重点を置く傾向があります。一方、日本のモダニズム建築は、光と影の相互作用、粗い質感と滑らかな質感の対比、建築環境と自然環境の調和を重視します。
南ベトナムと日本のモダニズム建築は、ともに世界の近代建築の発展に大きな影響を与えました。しかし、素材、美学、設計原理を重視する点で、両者のアプローチは異なっており、それぞれが生まれた文化的背景を反映しています。