敗北に学ぶ

 はじめまして。後期より金子研究室に所属させていただくことになりましたB3の大宅央人です。まだまだ建築を学んでいる者として未熟ですが精一杯頑張っていこうと思います。よろしくお願いします。研究室の活動に対して不安でいっぱいでしたが先輩方が優しいかたばかりで安心しました。

 話は変わりますが、先日「木の家設計グランプリ2022」に行ってきました。私も友人と協力して提案したのですが結果は芳しくありませんでした。今回のテーマは「母屋と離れ」の新しい関係性を問うものでした。本来「母屋」は生活の主体となる建物で、「離れ」は母屋に付属する建物で庭を眺めるためであったり、趣味のための空間として利用されるものでした。私たちは「母屋と離れ」の関係は外部という境界によって母屋と離れが分けられており、その外部と内部の関係をあいまいにすることで新しい母屋と離れの関係性を提案できるのではないかと考えました。

 選抜された作品は私たちと似たようなコンセプトの提案や豊かなアイデアを持った提案が多い印象でした。そして講評会を経て私たちの提案と選抜された提案の差が分かりました。もちろん戦略の差もあると思いますが一番の差は「住み手に配慮できているか」であるのではないかと感じました。私たちは「母屋と離れ」の新しい関係としての家族の距離の取り方に対する提案のみをしてしまっていて、家族の生活環境に対する提案が甘かったのではないかと思いました。

 これからの研究室の活動などを通して、地域環境の特徴から建築のポテンシャルを引き出す視点を養い、住まい手に最大限配慮した室内環境を提案できるように様々な経験を積んでいきたいと思います。